第1章 運動習慣の有無で人生の質は大きく変わる
運動習慣が仕事のパフォーマンスを左右する理由
日常に「運動習慣」があるかどうかは、仕事の成果や日々の充実度に大きく関わる要素のひとつです。体を動かすことで血流が促進され、脳へ酸素や栄養が行き渡りやすくなります。この結果、集中力や判断力、さらには注意力の向上が期待される場面があるようです。
実際、従業員の健康維持を目的に運動を推奨している企業では、生産性が高まったり、離職率の低下につながったりした事例も報告されています。特別な運動を始めるのが難しい方でも、「1日10分だけ多く動く」という小さな変化からスタートすることが可能です。こうした習慣の積み重ねが、仕事の効率やコンディションに良い影響を及ぼすと考えられています。
運動不足がもたらす将来的な健康リスク
運動不足が長期的な視点で健康に与える影響も軽視できません。身体を動かす機会が少ないと、筋肉量や骨密度の低下が進みやすくなり、加齢とともに体力の維持が難しくなる傾向が見られます。とくに、70歳を迎える頃には、30歳時点と比較して筋力が約40%低下するという指摘もあります。
さらに、運動不足は高血圧や心疾患、2型糖尿病など、いわゆる「生活習慣病」のリスク要因のひとつとされています。これらの症状は長期的な治療が必要になるケースも多く、医療費の増加や生活の制限にもつながりかねません。
精神面においても、運動不足は気分の落ち込みや睡眠障害を招きやすくなる可能性があり、メンタルバランスを整えるという観点からも、適度な身体活動が注目されています。
日本人の運動習慣率は依然として低水準
日本国内における「運動習慣の定着率」は、国や自治体の取り組みにもかかわらず、依然として高いとは言い難い状況です。とくに働き盛りの世代では、仕事や家庭の事情により、運動の優先順位が後回しにされる傾向が見受けられます。
ただし、企業や自治体が運動を促す制度を導入している場合には、従業員や住民の行動に前向きな変化が見られることもあります。ジムの併設やイベントの開催など、環境面のサポートによって自然な形で運動を取り入れる機会が増えているようです。
このような取り組みに加え、健康意識そのものを高めていくことも重要な視点です。「医療費の抑制」や「健康寿命の延伸」といった社会的な観点からも、日常的な運動習慣の促進は、今後さらに重視されていく可能性があります。
第2章 原始脳が求める動きと現代生活のギャップ
私たちの脳は「動くこと」を前提にできている
人間の脳は、現代のライフスタイルに完全に順応しているわけではありません。私たちの祖先は、250万年にもわたって狩猟採集による生活を営んできました。定住して農耕を始めたのは約1万年前、産業革命によって生活様式が大きく変わったのはわずか250年前のことです。
つまり、人類の歴史の大部分は「常に動いて生きる」ことを前提としていたのです。食料や安全な住処を得るために身体を動かし、その行動に対して脳が報酬物質(ドーパミン)を分泌する仕組みが形成されました。動けば快楽が得られ、また動こうとする。この「報酬回路」が、人間の行動パターンを支えてきたとも言えるでしょう。
現代では、この報酬系が「依存症ビジネス」にも転用されています。甘い食べ物やSNS、スマートフォンなどが脳の報酬中枢を刺激し、「動かずに快楽を得られる」環境が広がっています。これが結果的に、運動不足や生活習慣の乱れを助長している可能性もあるのです。
また、一部の研究では「人間は長距離を走るよりも、歩くために進化した」とする見解も示されています。こうした点からも、私たちの体と脳は、日常的な“ほどよい運動”を必要としていると考えられています。
運動不足が脳機能を低下させるメカニズム
運動量の低下は、脳の働きにさまざまな影響を及ぼす可能性があります。とくに注目されているのが、神経の柔軟性を支える「神経可塑性」の低下です。
運動をしない生活が続くと、脳への血流が減少し、酸素や栄養の供給が滞りがちになります。これにより、学習能力や記憶力、さらには気分の安定性にも影響が出ることが懸念されています。
高齢者を対象としたある疫学調査では、余暇や仕事中の運動量が少ないグループにおいて、アルツハイマー病の発症リスクが高くなる傾向が見られました。脳の中でも記憶をつかさどる「海馬」の血流が、運動によって増加することが確認されている一方で、運動不足はこの作用を妨げてしまう可能性があります。
また、睡眠の質にも注意が必要です。夜間の睡眠中に脳内で不要な物質が排出されるとされていますが、睡眠不足が続くとその排出が滞り、脳内に疲労物質が蓄積しやすくなると考えられています。日中の活動量と質の高い睡眠は、脳の健康を保つうえで密接に関係しているのです。
日常に取り入れやすい「非運動系」身体活動のすすめ
必ずしも「スポーツ」や「筋トレ」をしなければならないわけではありません。日常生活の中で自然に取り入れられる「非運動系の身体活動」でも、健康維持には十分な効果が期待できます。
たとえば、通勤時に1駅前で降りて歩く、エレベーターの代わりに階段を使うといった習慣は、「+10(プラステン)」の考え方にも通じるシンプルな取り組みです。これだけでも日々の歩数が増え、心肺機能の維持につながります。
また、掃除機がけや洗濯などの家事も、軽い筋力トレーニングとしての側面を持ちます。自転車での買い物や通勤なども、有酸素運動の一環として身体を動かすきっかけになります。
さらに、ヨガや太極拳のように負担が少ない全身運動も、継続しやすい身体活動のひとつです。呼吸と姿勢に意識を向けながら、無理なく続けられる点が魅力です。
趣味や人との交流も、脳を活性化させるうえで有効な手段です。プラモデルづくりなどの創作活動、あるいは家族や友人と一緒に食事をとるといった行動も、精神的な安定と充実感を支える要素になります。
第3章 脳はいくつになっても変えられる──運動がもたらす驚きの変化
運動が脳を育てるしくみとは
「歳をとれば脳は衰える一方」──そんなふうに感じている方も多いかもしれません。しかし、実際には脳は使い方次第で変化し続ける臓器です。この変化する力は「神経可塑性」と呼ばれ、運動によって大きく刺激されることが知られています。
身体を動かすことで、脳への血流が増加し、酸素や栄養がしっかりと供給されます。その結果、集中力や警戒心が高まりやすくなり、思考がクリアになると感じる方もいるようです。
とくに注目されているのが、記憶を司る「海馬」という脳の領域です。運動習慣によってこの海馬では新たな神経細胞が生まれる現象が確認されており、記憶力や学習能力の向上にもつながる可能性が示唆されています。
また、運動中には「BDNF(脳由来神経栄養因子)」と呼ばれる物質が分泌されます。これは神経細胞の成長と維持に欠かせない要素であり、運動が脳の健康をサポートする根拠のひとつとして注目されています。
加えて、運動時に分泌される「エンドルフィン」や「内因性オピオイド」といった脳内物質は、いわゆる“ランナーズハイ”と呼ばれる幸福感や爽快感をもたらします。このようなポジティブな感情が、継続のモチベーションにつながっていくのです。
高齢者にとっての最適な運動強度とは
年齢を重ねるにつれて脳機能の維持が課題となりますが、適切な運動を継続することによって、その衰えを緩やかにできる可能性があります。
推奨される目安のひとつに「1日6000歩以上」という数字があります。これは歩行を中心とした穏やかな運動であり、無理なく続けられる範囲といえるでしょう。さらに、「トークテスト」が目安として使われることもあります。これは、運動中に呼吸を乱すことなく会話ができる程度の強度であれば、心肺機能にも脳にも適した運動とされる考え方です。
こうした軽度から中程度の運動は「ゾーン2」と呼ばれる強度に該当し、認知機能の維持や疲労回復に効果が期待されるとして注目されています。
また、バランス感覚を鍛える運動も高齢者にとって非常に重要です。たとえば、片足立ちや不整地の道を歩くといった動きは、姿勢保持に関わる神経回路を活性化させるきっかけになります。転倒リスクの軽減という点でも、日常生活に役立つ効果が期待できます。
体力や体調には個人差があるため、無理のない範囲で、継続できる内容を選ぶことが長続きのコツといえるでしょう。
運動習慣がもたらすメンタル面への効果
運動を習慣にすると、心にも大きな変化が現れることがあります。最初の数分で体温が上昇し、呼吸と心拍数が整うことで、気持ちがスッと軽くなるような感覚を覚えることもあるかもしれません。
このとき脳内では、気分を安定させるとされるエンドルフィンが分泌されます。これがストレスの緩和や前向きな気持ちの形成に寄与し、心のバランスを支える働きをしてくれます。
また、小さな達成体験の積み重ねも、心の健康にプラスの効果をもたらします。たとえば「+10(プラステン)」のように「今より10分だけ多く動く」という簡単な目標でも、それを達成するたびに自信が生まれ、自分を肯定する感覚につながります。
こうしたポジティブな感情は、運動を続けるうえでの大きな推進力になります。
さらに、ヨガなどのゆったりとした全身運動は、身体だけでなく精神面にもやさしく働きかけます。深い呼吸とともに行うストレッチには、リラックス効果や気持ちの安定をサポートする力があるといわれています。
チームスポーツや、誰かと一緒に体を動かすこともメンタル面のケアに役立ちます。人との関わりを通じて得られる達成感や連帯感は、心を安定させる大切な要素のひとつです。
「知る」から「始める」へ 一歩を踏み出すための選択肢
この記事をここまでお読みいただいた方は、きっと「よし、始めてみようかな」と前向きな気持ちが芽生えているのではないでしょうか。
しかし、頭では理解できても、実際に行動に移すには“環境”が整っていないと難しいものです。そこでここでは、脳と身体の健やかな変化をサポートしてくれる信頼できるサービスをいくつかご紹介します。
日々の暮らしの中に、ほんの少しでも「整える時間」を取り入れる。そんな新しい習慣づくりのきっかけとなれば幸いです。
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