第1章 筋トレが続かないのは当然?──“めんどくさい”の正体を見つめなおす
本能としての「めんどくさい」は悪者じゃない
筋トレをしようと思っても、つい腰が重くなる──そんな経験はありませんか?
実はそれ、あなたの意思が弱いわけではなく、生物としてごく自然な反応かもしれません。人類はもともと、できるだけエネルギーを節約して生き延びるように進化してきました。
食料が限られていた時代には、動きすぎること自体がリスクだったのです。この「なるべく動かないようにする本能」は、現代になっても私たちの中にしっかりと残っています。だからこそ、「やった方がいい」と頭では分かっていても、動き出すまでに時間がかかってしまうのは当然なのです。
運動が苦手になるのは過去の体験も関係?
運動が億劫に感じる理由は、本能だけではありません。子どもの頃の体育の授業が「うまくできない」「評価されにくい」といった印象に結びついてしまった人もいるかもしれません。
特に、水泳などでフォームやタイムばかりが重視されると、楽しさよりもプレッシャーが勝ってしまい、「運動=苦手なもの」という意識が芽生えやすくなるようです。
意思決定疲れが「始める力」を奪う
1日の中で、私たちは無数の選択をしています。スマートフォンの普及により、朝から晩まで大小さまざまな決断を迫られています。このような日常の連続的な判断は、知らず知らずのうちに脳のエネルギーを消耗させていきます。
「運動するか、しないか」も、そんな選択のひとつ。たとえやる気があったとしても、すでに疲れている脳にとって、新たな選択は後回しになりやすくなります。
特に若い世代では、「選んで失敗したらどうしよう」といった気持ちが先に立ち、決める前から後悔を予測してしまう傾向もあるようです。
ルーティンの力で“考えない仕組み”を作る
では、どうすれば運動を「続けられる行動」にできるのでしょうか。
ひとつの方法として効果的なのが、ルーティン化です。プロアスリートの多くが実践しているように、「やる前に決めた動作をする」「同じ時間に同じ服装に着替える」といったルーティンは、考える負担を減らし、自然と行動に移しやすくなります。
たとえば、運動用のウェアやシューズを寝室や玄関の見える場所に置いておくだけでも、次の行動がスムーズになります。朝起きたときや帰宅したときにそれが目に入れば、「運動しようかな」と迷う前に動ける可能性が高まります。
「たった10分」を生活に取り入れてみる
運動が習慣になっていない方は、まず「今より10分多く動く」ことから始めてみると良いでしょう。
これは「+10(プラステン)」という考え方で、通勤時に1駅手前で降りて歩いたり、職場であえて遠い階のトイレを使ったりと、生活の中で自然に取り入れやすいものです。
特別なトレーニングでなくても、ちょっとした意識の変化が習慣につながることもあるかもしれません。
第2章 “辛い”と“キツい”の違い──続けられる筋トレの見極め方
辛いのは気持ち、キツいのは体
筋トレをしていて、「しんどい」「イヤだな」と感じる瞬間は誰にでもあるものです。でもその感覚、本当に“運動の負荷”によるものでしょうか?
実は、「辛い筋トレ」と「キツい筋トレ」は、似ているようでまったく違います。前者は、気持ちが前に向かない状態、つまり「やらされている」「イヤイヤやっている」ような筋トレ。後者は、身体的にハードでも、「頑張れば乗り越えられそう」と感じる前向きな負荷を指します。
筋肉痛はやる気の妨げ?
トレーニング後の筋肉痛は、モチベーションに大きく影響することがあります。
体が重く感じるだけでなく、「またあの痛みがくるのでは…」という思いが、次の一歩を止めてしまうこともあるかもしれません。
ただし、適度な運動が心に良い影響を与えることも示されています。たとえば15分9秒の活動で気分が前向きになったという結果もあり、痛みだけに注目してしまうと運動の良さに気づきにくくなることがあります。
主観的運動強度を測る“トークテスト”
「この運動、自分に合っているのかな?」と迷ったら、“トークテスト”を試してみるのもひとつの方法です。これは、会話をしながら運動できるかどうかを目安に、自分にとっての適切な負荷を見極めるやり方です。
具体的には、最大心拍数の60〜70%にあたるゾーン2の運動強度であれば、呼吸が乱れずに会話が可能とされています。このくらいの強度なら、「無理せずに続けられそう」と感じやすいかもしれません。
数字で把握する「ちょうどいいキツさ」
キツさの感覚は人によって異なるため、目安になるのが「RPE(主観的運動強度)」です。これは、トレーニング中に感じたキツさを10段階で評価し、その数字に運動時間を掛けて計算するものです。
たとえば、RPEが6で30分間運動した場合は「6×30=180」のRPEユニットとして記録できます。これにより、自分にとっての「ちょうどいいキツさ」が数値で可視化され、モチベーション維持の参考になります。
続けやすい筋トレのポイントは「自分に合った負荷」
運動を続けるためには、自分にとって無理のない範囲で負荷を設定することが大切です。
強すぎる負荷は疲労感やケガの不安を引き起こし、逆に軽すぎると「頑張ってる感」がなく、達成感も得にくくなります。
「ちょっとキツいけど、もう少しだけ頑張れそう」と思える強度が、“快適なキツさ”の目安になるかもしれません。そこを見つけられると、筋トレが少しずつ「続けられるもの」に変わっていくはずです。
注釈
RPE(Rate of Perceived Exertion): 運動中のキツさを自分の感覚で10段階評価する方法。主観に基づくが、継続的に記録することで負荷の変化を把握しやすくなる。
第3章 筋トレが飽きる・効果が出ないのは当然?──続けるための刺激と工夫
単調な筋トレが飽きやすいワケ
筋トレを始めた直後は、「少しキツいけど楽しい」と感じることも多いものです。
ところが、同じメニューを繰り返していると、だんだんと気持ちが乗らなくなってしまうこともあります。
これはごく自然なことで、最初の頃は「新しい刺激」があったのに、時間が経つと体も心もその動きに慣れてしまい、新鮮さを感じられなくなるからです。
たとえば「毎日腹筋30回」など、ルーティン化されたトレーニングを長く続けるのは簡単ではありません。効果はあるかもしれませんが、やっている本人にとっては“ただの作業”に思えてくる場合もあります。気づけば面白みがなくなり、「今日はいいかな…」となってしまうことも少なくないのではないでしょうか。
モチベーションを刺激する“変化”の力
筋トレを続ける上で大切なのは、「新しい刺激を取り入れる」ことです。
人間の脳は、ちょっと難しいことに挑戦すると活性化しやすいと言われています。たとえば部活で髪型の自由を認めたことで選手の自己肯定感が高まり、チームの成果につながったという事例もあるようです。
筋トレでも、自宅でのストレッチやバランスボールを使った運動、短時間のウォーキングなど、ちょっとした変化を加えるだけでも気分転換になります。ジムだけでなく、日常生活の中でも工夫次第で「楽しく続けられる筋トレ」の選択肢は広がります。
効果測定の指標を決めて、成果を“見える化”
「頑張っているつもりなのに成果が見えない」と感じると、続けるのが難しくなってしまいますよね。そんなときに役立つのが、「数値で変化を可視化する」ことです。
例えば、以下のような測定項目を設定しておくと、自分の成長を実感しやすくなります。
- 体組成や跳躍力などのフィジカル測定(例:月2回)
- 心拍数や呼吸をもとにした運動強度の確認
- **主観的運動強度(RPE)**を日々の記録として残す
- スイングスピードや動作の変化などの動作分析
- 気分の変化など、メンタル面の測定も含めるとバランスが取れます
これらの数値は、自分自身だけでなく指導者やパートナーと共有することで、より効果的に活用することもできるかもしれません。
成果を実感することで生まれる“やる気”
筋トレの成果は、毎日少しずつ積み上がっていくものです。たとえば、RPEユニットが先週よりも下がった、歩数が500歩増えた──それだけでも、立派な成長の証です。
こうした小さな「できた」を積み重ねていくことで、「今日も続けてみようかな」という気持ちが自然と芽生えていくのではないでしょうか。
数値の変化をグラフで見たり、他の人と比べたりすることで、新しい目標が見えてきたり、もうひと踏ん張りできたりすることもあります。
継続するために必要なのは、気合や根性だけではありません。「飽きない仕組み」と「成果が見える仕組み」の両方を、自分なりに組み込んでいくことがポイントになります。
注釈
RPEユニット:RPE(主観的運動強度)に運動時間を掛けた数値。運動の負荷と量を同時に管理する目安として活用されている。
第4章 「続ける力」を支える選択肢──今日から始める一歩のヒントに
この記事を通じて、「筋トレが続かないのは自分のせいではない」と少しでも感じていただけたなら何よりです。
もし今、「少しでも体を動かす習慣をつけたい」「そろそろ本気で変わりたい」と思われた方のために、参考になりそうなサービスをご紹介します。
これらはあくまで一例であり、皆さまが自分に合った環境や支援策を見つけていく際のヒントとしてご活用いただければ幸いです。
無理なく、そして楽しく、少しずつ前に進むきっかけとなれば嬉しく思います。
■ リバウンドしない2ヶ月集中型パーソナルジム(ビーコンセプト(PR))
コース終了後も月1回×6ヶ月の無料アフターフォロー付き。個室マンツーマンでプライベート空間も確保され、リバウンドを防ぎたい方に適しています。
■ 大人世代向けのパーソナルジム(Dr. plus Fit(PR))
月額14,200円で姿勢改善や慢性的な痛みのケアまで相談可能。専任制トレーナーと一緒に、ライフスタイルに合った継続プランを立てたい方におすすめです。
■ 遺伝子解析×オンライン指導の次世代型ジム(CLOUD-GYM(PR))
家にいながらプロの指導を受けられる完全オンライン型。食事もトレーニングも個別最適化されたプランで、忙しい方や地方在住の方にも対応しています。
■ 女性に人気の大量発汗エクササイズ(ホットヨガスタジオLAVA(PR))
柔軟性を高め、デトックスも期待できるホットヨガは、心と体を整える選択肢の一つ。まずは1,000円での体験から始められます。
■ 月額8,800円から始める機能特化型ジム(Nexus(PR))
姿勢改善やファンクショナルトレーニングに特化し、身体に優しいアプローチを実現。食事指導付きで、無理なく長く続けたい方にぴったりです。
コメント